無国籍の緊張感・プラウベルマキナ67(PLAUBEL makina67)

By dachio, 2013年2月19日

レンジファインダーでもこれぐらいシンプルなデザインは少ない。中判サイズの薄長い箱にでかいレンズをつけて、高画質だけを機能に求めたような、プラウベルマキナ67。

本体で目につく文字は「makina67」と、レンズに刻印された「Nikon」で、普通目立つところにあるメーカー名「Plaubel」はレンズの左下に無造作に記されている。ドイツのプラウベル社を買収して1979年にこのカメラを作った「カメラのドイ」の名前なんてどこにもない。

 

この「無国籍」感とシンプルさが、カメラに不思議な印象を与えている。

 

まず押してみろと言わんばかりのレンズ右下の赤ボタンを押すと、バシっとレンズの蛇腹が繰り出される。

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ピントはシャッターボタン周りのダイヤルで合わせ、絞りとシャッタースピードはレンズ周りで設定する。
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外観はシンプルだが音は個性的だ。レバーの大きな角度で「ギギ~~~ッ」と巻き上げて、ボタンを押すと「バシャッ」というハッセルのようなシャッター音。ただならないものを手にしてしまった・・緊張感に引き締まる。

 

 

プラウベルマキナ67が今も10万円以上の結構な値段で取引される人気の理由は、ひとえに中版フィルム+80ミリf2.8のニコンレンズがつくる高画質による。
カメラとしては、露出計はないしファインダーのピントはあわせづらいし、レンジファインダーとして使いやすいとはいえない。特に注意するのは、蛇腹を引っ張り出すとき、一度ぐいっと限界まで手で引っ張らないと、無遠限が合わずボケてしまうこと。初期不良かと思った。

 

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で、結局高画質だけど使いやすいとは言えない、ということは使い手を選ぶ。だから?私には使いこなせなかったというわけだ。

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makina67で撮った写真はこちら

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