ライカという名家に生まれ、斬新なスタイルで世界に衝撃を与え、そのまま覇王として君臨し幸せな生涯をまっとうした、とまとめてみました。これを名機と呼ばずして、というライカM3。
私にとっては若輩がお座敷遊びに抱くような憧れと好奇心を抱く存在で、自分には早いと思っていたのが気付いたら手の中にあった。
原因はHEXAR RFのひ弱さだ。ファインダーの故障で修理に出している間ズミクロンを遊ばせたくないと思っていたら、お手ごろの商品があった。まさかこんなに早くお座敷に上がれたとは。
手にしたM3はヒヤリと重かった。
これはいわゆる後期型で巻き上げは1回、シャッタースピードは倍数系列。巻き上げとシャッターの感触はM4Pと似ていて、M4Pのほうが乾いた感じだろうか
恒例のシャッター音は、これが1/60で、
[audio:https://dachio.com/archives/V_510047.mp3]
これが1/2。
[audio:https://dachio.com/archives/V_510046.mp3]
私の嫌いな、低速シャッターにおけるじじじ・・・という余韻はM3のときからあったのか。
カメラ界の革命児、M3を讃える言葉は数多あるけど、私が一番感動したのは実はこの部分だ。
誰もが絶賛するファインダー、ではなくて背面のフィルム情報を表示するパーツ。普通のカメラなら、ただ円盤の部分をまわしてカラーとかモノクロにあわせるんだが、M3はちょっと凝っている。円盤の部分をわずかに押さないと、まわらない仕組みになってるのだ。
それだけ?でも、そんな仕掛けを誰が求める?そんな無駄とも言える部分への手のかけ方、懲りように、作り手のM3に対する「誇りと自信」を感じるのだ。
購入したM3は美品レベルだったけどシャッタースピードが狂っていたので、いつもお世話になっている「広島光学」さんにメインテナンスしていただいた。
M3をけなす言葉は少ない。フィルムを入れたまま日ざしを歩いてると光線をもらってしまうところも私は特に気にならない。それぐらい気をつければいいんだし。
50ミリ以下のレンズにファインダーが対応していないから広角に弱いのも、外部ファインダーをつければいい。
しかし、ファインダーの二重像が、1メートルまでしか連動しないのはちょっと困る。例えば広角などで焦点距離が最短75センチとかのレンズをつけて、75センチ先の物に焦点を合わせようとする。そうすると、ファインダー内の二重像が、1メートルより短い距離には動かなくなるのだ。うまく説明できんが。だから、近い距離の撮影は目測になってしまう。
まあ、M3の不満な点というのはそれぐらいなのでした。
これはM3のフィルム装填をM4のように簡単にするための、「ライカ ラピッドローディングクイックスプールキット」。簡単だけど、時々失敗します。