神楽につれてって

By dachio, 2005年11月6日



「お金払って神楽観る」文化というのは広島以外にあまりない。


神楽大会ときけば毛布と座椅子もって朝から並ぶコアな神楽ファンが多いのだ。そもそも神楽に「競演大会」があることじたい、広島以外に知られてないんじゃないだろか。広島では大会が年間30以上。入場料は2000円から4000円、ビッグな大会だと1万円以上。会場では飲食禁止、ビデオ撮影禁止。

 

競演大会で上位を勝ち取れば各地のお祭りに呼ばれる回数が増えて団の経営も潤う。芸を競うのは結構だが競技化することで神楽本来の泥臭さが失われるという批判もあってわしんとこは絶対競演会にはでん!という団もあるけど、大会が多いおかげでいろんな神楽に触れる機会が増えて神楽市場の活性化につながる面もありで。

 

だからいま、山間部に人を集めるなら神楽なわけだ。

島根県邑南町の布施公民館で開かれた「The 神楽 BIG4」というイベント。

人家は100戸ほど、携帯電話も通じない集落が新しい公民館が完成したのをきっかけに何か元気になるイベントを、ということではじめて9回目。島根は出雲神楽の本場だが有料の神楽大会はほとんど無いんで広島の競演大会をモデルに、タイトルを横文字入りにしたり参加する神楽団に2つずつ演目をしてもらったり、ファン投票を取り入れたり等等、工夫してきた。

おかげで300人余りの会場は車で1時間半の広島市内からの客もつめかけ熱気むんむん。

 

内容ではお目当てだった広島の神楽団もよかったが、島根の「松原神楽社中」という団の舞、「十羅刹女」が最高。奏楽のリズム隊が完璧、圧巻。乙女が剣をふるって悪鬼をほろぼしたあとの「喜びの舞」には目の肥えた神楽ファンも場内騒然、思わぬ収穫でした。

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