生温かい水に浸かっていた頃から生命活動の不可逆的停止まで続く最も単純で根元的な問い。それをこの作者はあえて人を食った表現で見る者に投げかける。乱れた字体や文字のにじみなど全て計算ずみなことは明らかだ。
ちなみに「なんだ?」ではなく「な?んだ?」と、「?」がつくだけで質問意図が鮮やかな転換をとげる。質問者があらかじめ解答を「知っている」ことが強調されることも感慨深い。内容を見るとしよう。
正体が明らかになるにつれて文字の乱れが激しくなっていることに注目したい。質問者は「これなんだ」と問いかけながら、知られることを恐れている。人はいつも「知ってもらいたい」けど「知られるのはこわい。」そうした微妙な感情を表しているように写る。
新進気鋭の作者は3才の頃からCGに親しんでいたという。ディスプレイ空間から立体作品へ領域を広げた作者の次回作に期待したい。
現代アート鑑賞はとかく構えてしまいがちだ。展示スペースからは、童心にかえって作品を楽しんでもらいたいという意図が伺える。
屋外広場ではパフォーマンスの上演もあった。孫に連れられ嬉しそうなおばあさん、リアルな仕事の話を交わすお父さんなどが巧みに演じられ、一瞬ここは本当に幼稚園かもと錯覚してしまう。
beautiful !
中継したい。
れいん天才 鴨